nemo furniture|ネモファニチャー

ご冥福をお祈りいたしますdiary2011:07:04:22:17:08

July 4, 2011 10:17 PM

昨日7月3日の朝、

ウィンザーチェアーの巨匠、村上富朗さんがお亡くなりになりました。

私と村上さんのつながりは、本当に最近で、

今年の3月に開催された「木工家の家具展」が最初でした。

きっかけは、谷進一郎さんのおかげでした。

その展示会で、会場当番を一緒にやらせて頂いた時に、

椅子作りの事を色々聞いて、勉強させてもらいました。

私の村上さんに対する印象は、

「定番に正面から挑んで、自分の答えをしっかり出した人」です。

こんなすごい人と一緒に展示会を出来て良かったなぁ、

工房にも遊びに行ってみたいなぁ、なんて思っていました。

そんな村上さんの体調が悪い事を知らされたのが、5月の初めでした。

まさかという感じでしたが、谷さんの語り口から、

状況は簡単に読み取れました。

そして、工房を閉める事になった村上さんの為に、

お客様に納品されてたものをお借りしてきて、一人の作家の椅子を

100脚集めるという、前代未聞の展示会が企画されました。

それは村上さんの長年の夢でもあったそうです。

そして、微力ながら実行委員として会に携わる事になりました。

大筋の段取りは谷さんはじめ先輩方が進めて下さり、

作業的な事をお手伝いさせて頂きました。

そして、一日限りの夢の展示会の前日、私はアトリエから近い場所にあるお宅へ

村上さんの椅子をお借りに行きました。お客様は快く差し出してくれました。

村上さんの体調を気遣いながら。

その椅子を自分の作品よりも気を使いながら、会場まで搬送しました。

そして当日。

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その「村上富朗木の椅子100脚展」は、6月18日、

東御市文化会館で開催されました。

当日椅子を持参して下さるお客様も含め、200人以上のお客様や、

村上さんのご家族ご友人、木工仲間の皆さんなどがお集りになりました。

建築家の中村好文氏などもみえて、ギャラリートークも行われました。

会場内に所狭しと並んだ椅子は110脚以上あり、

ある種異様な迫力と、賑やかさに包まれ、

お体もつらいであろう村上さんも、終始笑顔でした。

盛況の内に幕を下ろし、あっという間に椅子もお客様の元へ帰って行きました。

一体何があったのか良く分らない様な、興奮だけが残っていました。

それから半月がたとうとしていた7月2日、

村上さんのお気使いで、実行委員の慰労会に参加していました。

村上さんも出来れば顔を出して頂きたいと思っていましたが、

体調が良くないようで、お見えにならないとのことで、残念に思っていました。

慰労会の最後、谷さんから、実は危篤状態で、

家族の方々は病院に呼ばれたらしいと聞きました。

その日の夕刻、村上さん意識取り戻したよ、との連絡が入り、

皆でホッとしていました・・・。

ですから、全く予想もせずにいて、昨日昼過ぎに、

朝お亡くなりになられた事を知らされました。

せっかくこういう偉大な木工家とつながる事が出来たのに・・・、

ものすごく残念で・・・、脱力しました。

しかしながら、その椅子は世に300近く送り出されたと言われています。

ただ、村上さんが残してくれたのは、椅子だけではないと思います。

その生きざま、精神性、人柄。

多くを知る事は叶いませんでしたが、

きっと沢山のものを残してくれたのだと思います。

村上富朗さん、心よりご冥福をお祈りいたします。

ありがとうございました。

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(村上富朗木の椅子たち展のお知らせ)

7月17日、18日の2日間

東京都港区青山 LIGHT BOX STUDIO AOYAMA 2F

にて開催されます。入場は無料です。